真紅のウィーディーシードラゴンに南すぎる島タスマニア島で会う
目次
Hello, さやかです。
先日、南オーストラリアのリーフィーシードラゴンをご紹介したところ、たくさんのコメント、反響をいただき大変嬉しいです。本当に海とは不思議な場所で、知れば知るほどもっと知りたくなってしまいます。
オーストラリアは陸にも海にも固有種がとても多いです。それもそのはず、オーストラリアの生物の過半数が固有種といっても過言では無いのです!見渡す限り固有種。
ユーラシア大陸が長い年月に渡り地理的に隔離されてきた結果です。
そんな中でもさらに特殊な島があるのをご存知ですか?
そう!それがタスマニア島なんです。
半年前までタスマニア島がオーストラリアにあることすら知らなかった私が今回訪問できたのは、私の好みを知り尽くした著名な写真家さんからの情報提供によります。
本当に本当に大変感謝しております!!いつもありがたい。
そんなわけで今日から3回に渡ってタスマニア島についてご紹介したいと思います。まずは前回に引き続きドラゴンシリーズってことでウィーディーシードラゴンを中心にご紹介しますね。
来週以降は珍魚ハンドフィッシュを含めてタスマニア島の魅力色々、宿泊施設などタスマニアで快適に過ごすためのオススメ情報です。
是非是非来週も覗いてみてくださいね。
オーストラリアの固有種ウィーディーシードラゴンの生息域
ウィーディーシードラゴンは先日ご紹介したリーフィーの親戚みたいな海洋生物です。
オーストラリアの南部に広く生息する魚で、実はリーフィーシードラゴンよりも生息域が広く、いたるところで観察できるのです。西はパース付近、東はシドニー付近を北限としているようです(私調べなので間違ってたら教えてください)。
でもアデレードでウィーディーを見たって話は少ないので、いないところもあるのか、単純に捜索の手が回っていないのかは不明です。
というのも、両者は生息する水深が全然違うんですよね。リーフィーは水深10メートル以浅、ウィーディーは12~20メートルに生息しています。
そしてより希少価値の高いリーフィーを見られる場所で敢えてウィーディーを探しに深場まで行くっていうのはビジネス的には勿体無いという考え方があるのかもしれませんね。
その点エスペランスではどちらも見られるようなので同時に両者を見たいならははるばるエスペランスに行ってみてもいいかもしれません。
タスマニア島限定色〜真紅のウィーディーシードラゴン〜
比較的生息域の広いウィーディーシードラゴンを見るために、なぜ私はタスマニア島なんて超マニアックな島に行ったのか。
タスマニアに生息するウィーディーのボディは鮮やかな赤色であることが有名で、真っ赤なウィーディーに会いたかったんです。だって海の中に真っ赤な魚なんてそれだけでワクワクしちゃいませんか?
ダイビング初日、早速ウィーディーシードラゴンを見たい!とリクエストしました。
「1本目はオットセイを見に行ってウィーディーはうーんどうかな、午後には見られるはずだよ」
またしてもドラゴンは私を悩ませるのか、と思いましたが(笑)オットセイとも遊びたかったし、4日間のダイビング予定を組んでいたので焦らなくっても大丈夫、と心を落ちつかせました。
ところが到着した先で受けたブリーフィングでは
「浅場ではオットセイと遊べる、ちょっと深場に行けばウィーディーもいるかもしれない、頑張って探してみるね」と。
なんと有り難い!😭
「かもしれない」なので、見られたらラッキーくらいの気持ちでタスマニアでのファーストダイブスタートです。
やっぱりイメージが違いすぎるシリーズ
ダイビング開始30分、ライトが激しめにチラチラチラと光る。
なんか見つけたのかな~と近寄るも、何を指しているのかよくわからない。
「???」
それでも激しくライトチラチラ、チラチラ・・・
「!?!?…!!」
そこにはまさしくウィーディーシードラゴンがいたのです。しかも憧れてやまない卵持ち!!
なぜすぐに気がつかなかったのか、それは…イメージが違いすぎたから。
実は私、ウィーディーってリーフィーと同じくらいの大きさだと思っていたんです。いや、むしろもうちょっと小さいくらいを想像していたのです。
そりゃ確かに「40センチくらい」と聞いてはいましたが、それは「最大」の話ですよね?おいそれと最大サイズがいるとは・・・(リーフィーと同じ下りなので以下省略)
- とにかく!あまりに大きくて体の表面が鎧みたいで結構ゴツい!
- あれ?ちょっと怖いぞ?
- でも会えて嬉しい!
- 綺麗な色だなぁ。
色々な感情がぐちゃぐちゃになって訳わかんなくなって、やっぱりここでもブハって笑っちゃいました。
しばらく笑ってました。
あぁでも幸せ。いきなり卵持ちのドラゴンに会えるなんて今年の運、使い果たしたかもしれない(大げさ)
ウィーディーシードラゴンの生息環境
リーフィー様を探すときは中々見つからなくって、このまま見られないんじゃないかとブルブルしていた日もありましたが、その点ウィディーちゃんは至る所にいて助かります!
もちろん見られるポイントっていうのは決まっていますが、結構たくさんあるんですよね。
ウィーディーが好きな環境の特徴
- 水深12~20メートル
- 丈の長い海藻が生い茂っている
- 砂地があること
- 身を隠せる岩場もあればなお良いですね
この「海藻が生い茂っている」というのが結構厄介です。
なにせこの海藻のせいで水底の地形が全くわからない。
カメラのアームに絡みついて、いつの間にかストロボがあさっての方に向いてたり(笑)
陰に生物が隠れていたりするので、水平姿勢で中性浮力を保つのは必須。
海藻には砂や浮遊物が堆積しているので海藻を蹴ってしまうと舞い上げてしまいます。
是非是非ご自分のフィンキックや中性浮力、姿勢に気をつけて、環境に配慮したダイビングを心がけたいですね。
ちなみにオーストラリアでのダイビング中は、ある特定の生物を除いて、完全無着底にて撮影しております。
タスマニアのダイビング環境
とにかく海藻がモジャモジャというのは前述の通りで、アデレードも海藻は多めでしたが、その3倍はあったように思います。
水温は予想以上に冷たかったです。初日15℃。
滞在中どんどん水温は下がって、最終的には平均水温14℃。
瞬間的には13℃の場所も。
透明度は8メールほどでしたが、私の訪れた期間は海況が悪く普段はもう少し見えるはずです。
イーグルホークネック付近でのダイビングは全てボートダイビングになります。
そこで大問題だったのは・・・ボートにトイレがない!!!
私ドライスーツなんですけど!
しかも陸に戻ってくるのは2本に1回。
これは本当に死活問題です。毎日怖かったです。
最終手段は、ドライスーツ脱いでボートでお尻丸出しか!?
それは、まだダメだ!そこまで吹っ切ったら何かを失う気がする😭
なんとか乗り切れたのは毎日おつまみに食べていた生ハムで体内の塩分濃度が上がっていたおかげでしょうかね。あと、お守りも身につけました。うん。
ちなみに4本潜れるのは日照時間の長い夏だけのようです。
午前2本(8時半集合、13時頃ショップ着)
午後2本(集合時間不明、17時頃ショップ着)
冬が近づくと最大3本らしいです。
ランチは用意されていませんが、暖かいスープと甘ーいお菓子は無料です。
しっかり食べたい方は持参してくださいね。
と言っても売店のようなものはこの地域にないので、私はまとめ買いしたカップケーキやフルーツを持って行っていました。
3日間×4本+1日×ビーチ2本を予約したのは私たちくらいのものでした。
他のゲストは大体半日でお帰りになります。
(わおクレイジージャパニーズ!)
タスマニア島イーグルホークネックの陸上生活
滞在していたのはタスマニア島の南東に位置するイーグルホークネックです。正確にはダイビングショップがイーグルホークネックにあり、私はタランナという地域のモーテルに宿泊していました。
ここがまた僻地中の僻地なんです。
ホバート国際空港から車で1時間ほどかかります。
交通手段
タクシーかレンタカーなのですが、僻地すぎてタクシーは予約しないと来ません。Uberは守備範囲外です。レンタカー必須です。
ありとあらゆる施設間のほぼ全てが歩いて行ける距離ではありません。
通信手段
ホテル内にWifiも飛んでますがちょっと遅いです。
時差
日本より2時間進んでいます。
治安(必見)
人うんぬんよりも野生動物の飛び出し注意です。ホバートからイーグルホークネックまでの1時間で20体ほどの亡骸を確認しました。最初は12体くらいまで数えていたのですが、途中からあまりに多くて数えられなくなりました。
涙が出ました。
この島の動物はとにかくのんびりしています。日が暮れると道路脇(わずか1メートルの距離)にワラビーがうずくまっていたり、変な鳥がヒョロヒョロと無防備に歩いてくるのです(これがまた歩き方が下手!)。
加えて彼らの反応速度の遅さに愕然とします。ワラビーがこちらを振り返るのは彼らの半径3メートルに入ったくらいのタイミング。
ちょっと鈍臭くて、ずんぐりムックリ体型の生き物達のなんと可愛いこと。「モキュ?」とした顔の野生動物の力強さ感の薄れる表情。
皆さん、夜道には気をつけてください。
食事処、スーパー
ないです。というと語弊がありますが、
イーグルホークネックだとルフラホテル(Lufra Hotel and Apartments)にレストランがあるだけです。お酒ならここのバーで買えそうです。
スーパーはホバート付近(イーグルホークネックから車で40分)しかないです。
大抵のお店は5時に閉まるか、夜遅くても8時には閉まります。(午後にダイビングするとルフラのディナーしか選択肢がない)
私は空港から移動してくるときに途中のスーパーで滞在中の食料を買って、ほぼ毎日自炊してました。
短期滞在なのでメニューに偏りがあるのはご愛嬌(笑)
肉は焼いとけばokです。
サラダのドレッシングの代わりに溶かしたブルーチーズをかけると美味しい〜。
タスマニアの参考旅程
1日目:19~21時頃 成田or羽田発
2日目:夕方ホバート着
レンタカーかタクシーでイーグルホークネックに向かう。
途中スーパーに寄って食料を調達する。
3日目:ダイビング
4日目:ダイビング
5日目:窒素抜きの日
翌日の朝早い飛行機が安いため。
陸の観光を楽しむならレンタカー必須。
6日目:早朝6時 ホバート発、同日20時東京着
ポートリンカーンの記事に航空会社の紹介も少ししているので参考にしてみてくださいね。
今回利用したダイビングショップ
お世話になったショップさんは Eaglehawk Dive Centre(イーグルホークダイブセンター)さんです。
このお店を運営しているのは写真家でもあり海洋生物学者としても活躍されるKarenさんやビデオプロデューサーでもあるMickさんです。
Karenさんはピンクハンドフィッシュというエゲツないほど貴重な生物の写真をナショジオに提供していたり、図鑑も出版されていて本当にすごい方です。お部屋にフィルム時代に撮った写真が飾られておりましたが、デジタルでも撮るのが難しいと思われる鳥肌モノの作品が数々飾られておりました。
Mickさんは海洋生物の危機について、英語が苦手な私に言葉を選びながらゆっくり説明してくれました。
お二人にお会いできてよかったです。もっと勉強しなきゃ、と意欲が湧きました。
実際に水中を案内してくれるのは3名の若手ガイドです。とても好奇心旺盛に生物を探索して、私の無茶苦茶なリクエストにも水中で震えながら、エア切れになりかけながらも一生懸命応えてくれました。(ごめんね、でもありがとう)
ちなみにガイドは別料金です。何も言わないと知らない誰かとバディダイブすることになります。予約時にガイドもお願いした方がゆっくり写真撮れますよ~。
まとめ
環境的にはちょっと厳しいタスマニア島ですが、とても気に入ってしまいました。この記事を書いてると行きたい欲がほとばしってきます。ウィーディーシードラゴン以外にも魅力いっぱいの島なので、是非是非訪れてみてくださいね。
- ウィーディーシードラゴンはリーフィーよりも広範囲に生息している
- ウィーディーの体長は最大45センチ(リーフィーよりも大きい)
- タスマニア島のウィーディーは赤色が強く艶やか、海外の方からは「素敵なパーティドレス」と評される
- 海の中は海藻モジャモジャなので、水平姿勢での中性浮力は必須
- ホバート市以外は超僻地なのでレンタカーがある方が圧倒的に楽しい
- 年間の水温は12-17℃
- ドライスーツが必要(現地の方は7ミリのウェットスーツ、わおクレイジー)
- でもボートにトイレはない(新しい道が拓ける予感はある)
- 近くにお店はとても少ない。ないと言っても過言ではない
- 自炊は結構楽しい
- 島内の野生動物はのんびり屋さんなので轢かないように要注意。
それではまた!
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PADI Divemaster #832577 ダイビング✖️写真✖️旅 = 世界の海・自然と人と人と社会を繋ぐ 言語・距離・文化の壁、全部越えて、 もっと自由に、もっと楽しく、 興奮と感動と癒しの海への扉となることを目指します。