スヌート撮影で影を味方につける! ~水中写真上達への道のりvol. 9
目次
こんにちは!さやかです。
最近、撮影技術や機材などの内容が続いていて、なかなか旅のお話をアップできていないのが気になってはいるのですが、やっぱり今日も撮影機材の話になってしまいます。
というのもちょうどYouTubeでストロボ用のスヌート撮影機材を紹介したので、文章派の方にもここで共有したいなーと考えた次第です。
聞いたことがあるけど
スヌート撮影って何っていうところから、
どんな機材が必要なのか、
どんな写真が撮れるのかなどご紹介いたします。
スヌートって何?
スヌート撮影とは、とっても簡単にいうとスポットライトのような光で撮影することで、被写体のみに光を当て強調する撮影テクニックのことです。
スヌート撮影では光の広がりを抑えることで、余計な部分に光が回らないようにして、写真のどこに注目するべきなのか分かり易い表現ができます。
作例
どんな説明よりも写真を見てもらえると、スヌートを使うとどんな作品に仕上がるのか一目瞭然かと思います。
2つの被写体で、普通のストロボで撮影した場合とスヌート撮影した作例をお見せしたいと思います。
まず、一番わかりやすいのは、スヌート撮影すると全体的に暗くなります。暗い写真が嫌い!という方にはあんまり楽しくない撮影かもしれませんね…
こちらの吻が長く伸びているのはアツモリウオという魚で知床の海で出会いました。赤いボディもとてつもなくカッコいいのですが、この鎧のような異様な質感がめちゃくちゃ痺れます。
前景や背景を活かすためにスヌート無しで明るく撮影してももちろんいいのですが、体の側面のギザギザが強調されないんですよね。拡大してよくよくみるとギザギザしてるな、というのはわかりますが。
ストロボ1灯だけで撮影してもある程度ギザギザの陰影を出すことができると思いましたが、スヌート使うことでアツモリウオの凹凸を強調した作品にしたいと思ったんです。
砂地にも極力に光を当てたくないということでスヌートの出番です。
アツモリウオはあまり動かない生き物なので時間さえかければ2灯スヌートの位置調整しながら撮影が可能です。
次に、これは難易度がちょっと上がります。中層を漂う抱卵中のニシキフウライウオの卵です。中層での撮影はスヌート位置や角度だけでなく動く被写体との距離を完璧に維持するためのバランス感覚も要します。
卵は透明なので、スヌートで影を作ることで立体感がでて、中の赤ちゃんの様子も表現できました。また、周囲の浮遊物に光が当たりにくいため、ゴミの写り込みも抑えられました。
なにより、写真を見た瞬間に真ん中の卵に視線が集中するような表現になったのではないでしょうか。スヌート無しの場合では赤色のトゲトゲを最初に注目してしまう人が多いかと思います。
スヌート撮影に必要な機材は?
(1)FIX MGスヌートアダプター
Fisheyeさんのカラーフィルターホイールに取り付けられるスヌート
(2)スヌートキット RGB-SN01
RGBlueライト用のスヌート
(3)Flip Snoot Pro for Sea&Sea YS-01/YS-02/YS-03
海外サードパーティ製Sea&Seaのストロボ用のフリップスヌート
難易度を考えるとライトに取り付けられるスヌートから始めるのがオススメです。
スヌート撮影は距離感や光の広がりの感覚がわからないうちはかなり難しいです。
ちょっと泣きたくなるくらい難しいです😅
なので、光が常に見えてる状態のライトの方が練習しやすいです。
なるべく明るいライトに集光レンズやフィルターも併用すると光量も確保しすくなります。
ただし、生物に光を照らし続けることで、ストレスをかけ過ぎてしまい逃げられる確率も上がってきます。
(2) スヌートキット RGB-SN01
スヌート撮影はどんなときに有効なの?
スヌート撮影の条件はもちろん多くの可能性を秘めているはずなので、あくまで現時点での私の使い方としては、
①スポットライトみたいにライティングして被写体を際立たせる
②黒抜き撮影がしやすくなる
→ 黒抜きにしたいけど被写体のすぐ後ろに岩などの背景があってどうしても黒く抜けない、などのときに有効です。
③水中のゴミ・チリが多い時でも写り込みを抑えて撮影できる
→ ②の黒抜きと同じようなことなのですが、浮遊系撮影でのゴミの写り込みを抑えたりすることにも有効です。
スヌートのライティング・陸上テスト編
実際にスヌートライティングするとどんな風に見えるのか陸で試してみました。時間を気にせずじっくりイメージトレーニングです。
使用したのは(3)(品番)フリップスヌート
スヌートの口径は大きい順に6cm, 2.3 cm, 1 cmです。
6 cmの大きさだとフルサイズ換算で60mmのマクロかそれより画角の広い被写体に適していそうですね。浮遊系の撮影にも良さそうですね。
まずは6cmのスヌートを使って雰囲気をチェックしてみましょう。
最初に注意点ですが、上の画像6cmスヌート部分のゴム部分は伸ばしたり畳んで短くすることもできます。購入当初それを知らずに使っていたので、この部分を伸ばしたり縮めたりすることで光の広がり方はまた変わってくると思います。
6cm スヌート
個人的には真上から当てるライティングが気に入ってます。被写体の影のつき方がエモくていいですね。まさにスヌート!っていう感じの陰影が好きです。
4枚目の写真はA4の紙をストロボの前に置いて撮影してみました。スヌート効果はあるものの6cm径ではやはり広範囲に光が広がりますね。
※スヌートと紙はおよそ20cmの距離があります。
2.3cm スヌート
次に2.3cmスヌートです。
被写体だけがふわっと浮き上がるような、めちゃくちゃエモいですね。
被写体を黒にしてしまっているので背景の闇に紛れてしまったのはブログ用としては選択をミスったかなと思いますが、こういう闇に浮かび上がる雰囲気は私は大好物です。
A4用紙で確認してみると、
光の束の境界がふわっとボケたように光が広がりました。
この境界の曖昧さがふわっとしたイメージを作り出しているのかもしれません。
※スヌートと紙はおよそ15cmの距離があります。
※6cm側のゴム部分を伸ばしたり折りたたんだりすることで光の広がりはある程度調整できるかと思います。
1cm スヌート
次は1 cmのスヌートです。
被写体が2cmの小瓶に変更です。
かなり光がシャープになりました。陰影もかなりクッキリしてかっこいい仕上がりになりそうです。
A4用紙で確認してみても光の束の境界がはっきりしていますね。真っ直ぐ力強い光線です。
※スヌートと紙はおよそ5~8cmの距離があります。
ちなみに被写体が5cmほどズレるだけでまったく光が当たらなくなりました。
これは難しいゾ…。
海の中で5cmって結構普通に動きますよね…
相手が泳いでいる魚だったり、ウミウシだとしても5分もすれば結構な距離を移動できますからね。
(やばいものに手を出してしまった…)
スヌート撮影の注意点
1cmスヌートの陸上テストをみてもわかるように、光には広がる性質があります。
被写体との距離が離れるほど光は大きく広くなります。(スヌートを装着していても)
逆に被写体に近づけて発光させると細いままの光を当てることができます。
絞りやISO感度を変更することで、スヌートの効果を多少調整できます。
絞ると、カメラに取り込む光を制限しますし、ISO感度を下げることでも似たような効果を期待できます。
初めてのスヌート撮影は前方斜め上から1灯だけにするのがいいと思います。
スヌート2灯を横から当てるのはかなり難しく、練習時点で心が折れるかもしません😅
スヌート開封から作例まで(動画)
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。スヌート撮影のメリットとデメリットをまとめます。
メリット
・写真作品の魅せたい部分だけに光を当てることができる
・陰影がはっきりすることで立体感が出る
・水中の浮遊物の写り込みを抑えることができる
・ライティング角度、距離、強さを組み合わせることで、新たなアート作品が生まれる可能性が無限大にある
デメリット
・距離や角度が決まるまでに時間がかかる(慣れるまで結構大変)
・なので、撮影時間をしっかり確保されたダイビング中にしか使用できない
・暗い印象の作品になる
・撮影機材が増えることで水中での取り回しが難しくなる、荷物も増える
といったところでしょうか。
それでも!少しずつ練習しているうちに最近ハマってしまいました。
私ももっと頑張るぞ!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
春からいろんなところに行っているのでボチボチその話もUPしていきたいですね。
それではまた。
PADI Divemaster #832577 ダイビング✖️写真✖️旅 = 世界の海・自然と人と人と社会を繋ぐ 言語・距離・文化の壁、全部越えて、 もっと自由に、もっと楽しく、 興奮と感動と癒しの海への扉となることを目指します。