リーフィーシードラゴン様に会いに、南オーストラリアのアデレードに行こう!
目次
Hello, さやかです。
ご存知ですか?人間がウェットスーツで快適にダイビングできる海って、地球上にそんなに多くはないんですよね。地球の71%が海で、温暖な場所はその半分にも満たないんです。珊瑚礁があるとか、流れが穏やかとか、生き物がいる、とか、そういうことまで含めるとほんの数パーセント(のはず)。
それなのに、ウェットスーツだけでダイビングできる海にこだわるなんて勿体無い!と思っている今日この頃です。この世にはドライスーツという画期的な保護ツースがあり、最近はヒートベストなんて最強のインナーまで登場しました。
私はOcean Travelerなのです。行くっきゃない。世界の海を見るってそういうことだ!
そんなわけで、今日はポートリンカーンに続いて南オーストラリア旅の第2弾、アデレードでのダイビングについてご紹介します。
南オーストラリアの象徴!?リーフィーシードラゴン
もうもうもう、お気づきかもしれませんが、アイキャッチ画像の神々しい生き物が『リーフィーシードラゴン』様です。
実はシードラゴンという生き物自体、世界中で4種いて、オーストラリア南西部にはその全てが生息しています。
リーフィーシードラゴンと次回紹介予定のウィーディシードラゴンはオーストラリア南西部にしか生息していません、超超固有種で準絶滅危惧種です。
アクアリウムで買うと300万くらいするらしいですね・・・高っ!!でも、買えても飼いたくない・・・神々しすぎてなんか罰当り・・・
顔を見るとお分かりかと思いますが、タツノオトシゴとかヨウジウオ科の仲間です。もう少し広く見ればカミソリウオなども仲間ですね。
リーフィーシードラゴンがタツ類と大きく異なる点は3つあります。(あくまで私が観察したことです)
- 尾で巻きついて体を固定しない。(浮遊生活)
- とてもデカイ。最大35センチまで成長します。
- 育児嚢がない。(メスの産んだ卵をオスが孵化させるのは同じですが)
育児嚢のないシードラゴンは尾の表面に卵をくっつけて親が守ります。
ちなみに、ドラゴン以外のタツ類は育児嚢(カンガルーの袋みたいなやつ)で卵を育てます。
リーフィーシードラゴンはアデレードでも見られる
シードラゴンに興味のある方は一度は調べたことがあるでしょうか?
「エスペランス 」という地域がシードラゴンで有名です。
ですがこのエスペランスという町、たどり着くまでがかなーり大変なんですよ。
日本からパースまで10~15時間くらいのフライト、その後、車で8時間も行くらしいんです。キッツーイ。小笠原に行くのと同じ、な訳ないですよ。自分で8時間運転とか怖すぎますよ〜。海外ですし、手配面倒ですしぃ。
正直、会社員的にはキッツイですよ。(会社員じゃなくてもキツイ?)
ですが、ご安心ください。
もっと短時間で簡単に見に行ける場所があります。
それがアデレード!!らぶぅ
アデレードに行くには乗り継ぎ含めて16時間のフライトだけです。
アデレード市内に「リーフィーシードラゴンツアー」という日帰りツアーを組んでいるダイビングショップがいくつかあります。
日本のダイビングショップのように送迎付きなのも嬉しいですね(要予約)。後半に利用したショップさんの情報も載せておきます。
Rapid Bayに行ってみた
リーフィーツアーに行くには朝9時にショップ集合です。
申し込み用紙を書いて、説明を受けます。全部英語なので、苦手な方、頑張ってください。
年季の入ったマニュアル車にガイド1人、私のみのプライベートダイビングに早速出発です~。
そういえばメール予約の文中には途中で昼食を買えるよ、とあったのですが、気がつけばどこにも寄らずに小一時間でダイブサイトに到着してました。
あれれ~(笑)
まぁ、仕方ないですね
それにしても曇天。
期間中、天候には恵まれずオーストラリアは夏にも関わらず、冬の日本と大して変わらない格好で過ごしました。
ちなみに写真の左手に見える桟橋の先から海に入ります。この撮影地点から100メートル以上はあるでしょうか。
伊豆(大瀬崎)のように台車などはありません。
車で全ての器材をセッティングしたら、愛と勇気と希望と全器材を背負って歩く!
(総重量20キロくらいはある?)
一生懸命歩いて、階段降ってエントリーです。
浅い海底に生い茂る海藻が草原のようです。少し日本海の海に似ているかもしれません。私個人的には珍しい景色なので、新鮮でした。
リーフィー探しがてらに既視感のある魚やら、見たことも無いような派手カラーのフグなんか見られてとても面白い
桟橋(Jetty)の柱が水底から立ち上る雰囲気もカッコイイ!!暗いのでわかりにくいですが、カラフルな海面やホヤがついていて幻想的です。これは、海況と透明度がイイときにまた来たい。(こういうのは日本では少ないですよね)
色々見つつ80分間リーフィー様を探すも見つからない。。。え。。。
朝の説明では、「リーフィーを見られるポイントは2つ、今日はその1つであるRapid Bayに行ってみよう。幼魚がいたという情報を聞いた」とのことで、ギョリコン(幼魚好き)の私は嬉々としておりましたが。。。
見事に1本目、撃沈〜
同ショップの別のガイドさんが言うには、
「僕はここ半年くらいRapid Bayでリーフィー見てないね」
がーん。。。そういう情報は早く言ってぇ。
我がガイドと作戦会議です。
ガイド「数日前に見たという人はいるからいないわけでは無いと思う。僕たちに残された選択肢は2つだ。①2本目もここRapid Bayでリーフィーを探す。②もう帰る」
私「(実質1択じゃんか!)①で行きましょう」
というわけで午後も捜索するも、努力むなしく終了です。
リーフィーシードラゴンに会いに行ってみた
さて、翌日。
まずは作戦会議です。
ガイド「Rapid Bayは望み薄だ。もう一つのポイントはVictor Harborというポイントで高確率で見られるはずだ。もともと透明度の良くないし、今の海況だとせいぜい5メートルくらいしか見えないかもしれない。透明の悪い海で潜れるか?」
私「5メートルあれば十分!とにかく、今回、アデレードに来た最も重要な目的はリーフィーを見ること。これ以外に大事なものは何もない」
というわけで決まりです。
いざ行かん!
透明度が悪いかもしれないというので、2本持っていたライトのうち1本をガイドに渡し、少しでも安全確保です。
海の表面は荒れてます。もはや恒例です。オーストラリアのビーチエントリーダイビングはとにかくハード!
この日は歩かなくていい代わりにザブンザブンの波の中を50メートル以上水面移動しました。
(どうやら環境保護のために水底移動してはいけないルールがあるんだとか)
泳ぎながら透明度を確認する限り…浮遊物は多いものの8メートル先くらいまで薄っすら見えます!(思ったほど悪くなくて一安心)
水深8メートルをしらみつぶしに探すこと10分。出会いは突然に。
モッサモッサ生い茂る海草の真上をユーラユーラ漂う生き物が!!
つ、つ、つ、ついに出ましたー!!!
リーフィーさま~
ひぃあぁぁぁ!かぁっっこいい~!!
神様ありがとー!!!
と水中で叫びましたね。
この造形!
なぜこの世にこんなにも複雑で美しい海洋生物が誕生したのか。
溢れ出るドラゴンのオーラ。滲み出る神々しさ。
神様ありがとう、というか、もうあなたが神です。
うねりにブンブン振られ、ストロボが海草に絡まりながらも撮影していると、もう1匹近くにいて、2匹は寄り添って泳ぎ始め求愛ダンスが始まりました。
最高ですか?ここは天国か何かですか?
ひとしきり撮影して戻る途中、3匹目のリーフィーを発見!
ちょっ、Victor Harborやばくない!?こんなポンポンみつかるもんなの!?また絶対来る海リスト第1位にノミネートしました。
私からの重たいプレッシャーを感じながら一生懸命ガイドしてくれてありがとうございました〜。
リーフィー様の動画
リーフィーシードラゴンは泳ぐのが遅い。は嘘!?
リーフィーは揺れる海草に擬態しているので、泳ぎは速くない。と聞いていました。でも、いざ近づくとダイバーと同じくらいのスピードで泳ぎます。ヒレすんっごい小さい割には速いです。
みなさん、覚えておいてください、リーフィーは決して泳ぐのは遅くないです。
もう一度言います、撮影することを考慮すれば大人のリーフィーは結構速いです。
なので、逃げられないように優しく近づいてあげてくださいね。
もう一つ意外だったのは、サイズです。
体長最大35センチ(かなり大きいですよね)とは聞いていました。でも、おいそれと「最大」サイズが転がっているなんて思いませんよ?大人になるまでに2年かかると言われています。
だから私はちょっと大きめのニシキフウライウオ(15センチくらい)みたいな生物 をイメージしていたんです。
ところがどっこい、3個体とも30センチある立派な成魚でした。
最初はワイド仕様で目一杯近寄って撮ることをオススメします。
被写体のサイズや透明度を考慮すると15~35mm(35mm換算)のレンズが良さそうですね。
アデレードのダイビング環境
ここまで読んでいただいた方はお分かりのように、南オーストラリアのダイビング環境は過酷です。
12Lスチールシリンダー(これがスタンダード)の器材背負ってたくさん歩くか、たくさん泳ぎます。
アデレードの水温は1月(オーストラリアは夏)で18℃。最高で20℃くらいらしいです。最低14℃。日本人はドライスーツ着用ですね。せめてロクハン。
ウエイトもますます重いですね。
特に私はドライスーツ着用でしたので、トイレ問題が何より一番辛かった(笑)日本のように現地サービスというものもありませんし、売店も自販機さえ、なんっっっにもないんです!
お手洗いも車で行く距離です。
前述のRapid Bayで1本目の後に、作戦会議をしていますが、その直前に、
「ごめん・・・まず・・・何よりも先に・・・・・・トイレに行かせて」
と涙目でしたねぇ。
もちろんシャワーもありません。
初日は髪もカメラもシオシオの状態で我慢しましたが、2日目は2リットルの水を持参して浴びました。(カメラ優先ですが)
日本のショップさんだと、こういうシーンでは大量のお湯を車に積んでくれていて、浴びさせてくれます。改めて日本のショップさんのサービスってありがたいなぁと。身にしみました。この場を借りて感謝します。ありがとうございます。
アデレードでの陸上生活
交通手段
アデレードではUberを移動手段にできます。都市部のいいところですね。
電車もあるみたいですが、私は宿の安い郊外に宿泊していたので乗る機会はなかったです。
(コスト的にはレンタカーの方が安いかもです。車社会なのでかなり安く借りられます、1日2000円くらい)
通信手段
ホテル内ではWifiが使えますが、現地のSIM(OPTUSがオススメ)があった方が、いつでもどこでもUber呼び放題ですし、電話も安くかけられます。
時差
日本より2時間進んでます。
治安
とてもいいです。
お酒
そうそう、オーストラリアってスーパーでお酒売ってないんですよ。
お酒は「Bottle Shop(ボトルショップ)」というところで買うんです。ドライブスルータイプのボトルショップも多いです。水モノは重いから便利〜。
アデレードへの行き方
航空会社や旅程などはポートリンカーンへ行く時と大体同じような感じですので、以前の記事を参考にどうぞ!
日本からアデレードに行くなら乗り継ぎは必須かと思います。季節や航空会社によって乗り継ぎ地は違いますが、カンタス航空かヴァージンオーストラリアがオススメですね。
今回利用したダイビングショップ
アデレードでお世話になったショップ Diving Adelaideさん です。
このリーフィーツアーは参加人数によって費用が変動します。もちろん1人参加が一番高いわけですが、事前予約&前払いなのでマンツーマンが約束されます。
Diving Adelaideさん以外のショップも実は探したのですが、
メール全てが文字化けしたり、再度問い合わせたり、日本から振込みができなくて手続きが滞ったり、挙句ちょっと忘れられてたり・・・大変でした。
その点では、Diving Adelaideさんでのやり取りは1日あれば完了できちゃうくらいサクサク進むので安心感あります。
またよろしくお願いします!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今日はかなり長めのご報告になりましたが、楽しんでいただけたでしょうか。過酷なダイビング環境ではありますが、リーフィー様に会えると思えば、なんのそのです。
- リーフィーシードラゴンはオーストラリア南西部でしか見られない希少な生物。
- Rapid BayかVictor Harborで頻繁に観察される。
- この半年Rapid Bayのリーフィー様は激減。
- リーフィーは思っていたよりもかなり大きいし、泳ぐのはまぁまぁ速い。
- リーフィー以外の生物も魅力的でちょいちょい目的を忘れがちになる。
- 南オーストラリアはエントリーエキジットに尋常じゃないくらい体力を使う。
- ダイブサイトのインフラは絶望的なので飲食物は持参する。浴びる用の水も持っていく。トイレは行ける時に行っとく。
最後2つは意外と切実な情報なのですが、こういう体験をネタにして楽しんでしまうくらいが旅はちょうどいいですね〜。
それではまた!
(おまけ)アデレードの観光名所
市街地
アデレードはワイナリーが多いことで有名なんですよね。
ワイン好きな私はNational Wine Centre of Australia(ワインの博物館みたいなところ)にあるバーで昼間っからワイン飲んでましたね。美味しかったな~。
あとはAdelaide Central Market(生鮮市場みたいな感じ)が楽しかった。お肉屋さんから酒屋さん、カメラ屋さん色々あります。変わった飲み物買ってみたり、スーパーで果物買ってみたり。
カンガルー島
カンガルー島はアデレードから行けるネイチャーアクティビティの鉄板です。コアラやワラビーの他にも多くの固有種が生息している自然豊かな島です。
水生生物ではアシカやアザラシのいるらしいのですが、昨年から続いた森林火災のせいで島の3分の1が焼け落ちたとのことです。ですが、島にはオープンしているそうです、足を運ぶことが復興の支援にもなるはずです。
ご訪問の際には是非検討してみてくださいね。
PADI Divemaster #832577 ダイビング✖️写真✖️旅 = 世界の海・自然と人と人と社会を繋ぐ 言語・距離・文化の壁、全部越えて、 もっと自由に、もっと楽しく、 興奮と感動と癒しの海への扉となることを目指します。