真冬のダイビングもぽっかぽか!?話題のヒートベストの威力を検証してみた
*こちらの記事は2019年に書いたものです、当初はウェットスーツでも使用できるとの触れ込みで発売されましたが、感電の危険性があるとのことで、2021年現在はドライスーツ専用となっています。
今後改良され、いつかウェットとの両用タイプが正式に発表されるとのことです。
こんにちは!さやかです。
今年10月についにフィッシュアイさんからFIX UNDERWARMER(フィックスアンダーウォーマー)が発売になりました。通称ヒートベストと呼ばれているものです。
私は今年の2月にダイビングフェスティバルで発表されてからずーーーーーっと欲しくって!
待ちに待ってやっと手に入れました!
先日、その機能を確認するために11月下旬の伊豆の海であえてウェットスーツ着用で試してきました。
ヒートベストって何?というところから、お手入れ方法や、どんな環境で使うのが効果的か?ということも含めて考察してみましたので、是非是非チェックしてみてくださいね!
結論だけ知りたいよって方は「まとめ」に飛んでください。
ヒートベストって何?
簡単にいうとウェットスーツやドライスーツの中に着ることのできる発熱するベストです!
すごくないですか!?
例えば、水温15℃の真冬の伊豆でダイビングする時はドライスーツの中にモコモコのインナーを着てホッカイロも貼って・・・それでもダイビング後半では寒い!!と震えていたことでしょう。
頻繁にダイビング行かれる方はホッカイロの消費量も多く、エコとはかけ離れてしまっていたのではないでしょうか。
ヒートベストはホッカイロよりもずっと暖かくて電源をONすると1分も経たずにポカポカする優れものです。
防水なのでウェットスーツの中にも着られますし、ドライスーツみたいな密閉空間でも外からON/OFFをコントロールできるんです。(仕様によります)
実はヒートベストは以前からThermalution社から販売されていましたが、断線しやすい(らしい)などの理由から日本では普及しにくかったようです。(安心安全、高品質を求める日本では)
そこで、フィッシュアイさんが安全性、耐久性を高め、改良したのかFIX UNDER WARMERなんです。
フィッシュアイさんから出ているヒートベストはFIX UNDER WARMER HEAT VESTというもので全部で3種類あります。
- ウェットもドライもオッケー(背中と腹部に電熱線あり、バッテリー大きい、ワイヤレスコントローラ)
- ウェットもドライもオッケー(背中のみに電熱線あり、ワイヤレスコントローラ)
- ウェットスーツ専用(背中に電熱線あり、有線コントローラ)
私は②を買いました!
ヒートベストの中には電熱線が入っていて、バッテリーを繋いでスイッチONにすると電熱線が発熱します。ワイヤレスコントローラ(以下、リモコン)は電源ON/OFFだけでなく、暖かさを3段階で調整することもできるらしい!!
背中大事。無線最高。
すごいっぽいぞ。という期待は膨らむばかりですが、上の写真のもので5万くらいします。
私は絶対にないとダメな海に行く予定があるので、嫌でも着ないと意識飛ぶかもしれないので、買いましたが、結構な出費になるので、普通は手が出しずらいですよね。
でも、気になっちゃいますよねー。
私も本番の海で着用する前に使い方の予習も合わせて、ヒートベストの威力を検証してきましたので、ご参考までに!
場所は先日訪れた田子の海です。
【装備】:
- 熱反射コーティング加工のインナー
- ヒートベスト
- 表スキン裏起毛の5 mmウェットスーツ
の順に着ました。
ちなみにウェットの中に着ることも想定して、ピチッと着られるSサイズをオーダーしました。
秋の伊豆でドライスーツの中に来ても、威力はわからないだろうということで、敢えてウェット。
【当日の田子】:
水温 22.0℃
気温 22℃
予想外に気温が高くて検証になったのか?というところには触れないでください笑
【BCD】:
AQUALUNG ZUMA
AQUA LUNG(アクアラング) ZUMA ズーマ BK(ブラック)
トラベル用ではありますが、前面がすっきりしているのでカメラ派にオススメだし、ヒートベストのバッテリーもモコつきも気になりにくいはず。
ベスト本体とバッテリーを接続した後、ベストのポケットにバッテリーを収納します。
ベストには背中側にポケット2つと前面に2つとあり、背面に収納するのがオススメと聞きましたが、ひとまず1本目は前方に収納してみました。
が、・・・あれ?アバラに当たるぞ・・・?
てかバッテリー大きくないですか?
ウェットスーツのファスナーが!上がらない!?あれ?
太った?
あ、太ったのもありますが、いやいや、結構苦しい!
バッテリーは100x60x25 mmもあるから仕方ないけど、両面電熱線が入ってる方のバッテリーはもっと大きいから、もっとキツいんだろうな・・・。
ひとまずエントリー!
水中に入ると浮力や水圧も影響してか?圧迫感はあまり感じませんでした。
早速スイッチON。まずは「弱」で確認。
あんまり体は冷えてないので、効果がよくわからず、「中」に切り替え。・・・うーん?
「強」にすること1分後、
あったかーい❤️
十分すぎるほど暖かいっす。
以前、別メーカーの物を仕様している方から「すぐに暖かくなるので、電源はつけっぱなしにするよりも、寒いなと感じた時にONにして温まったらOFFにする方がバッテリーの持ちも良くていいですよ」
と聞いていたため、ひとまず温まったのでOFFに。
冷たい水の深場に行って、30分後。
ちょっと冷えてきたなーと思ったところで再びON!「強」で!
1分後じわーっと温まってきてぬくぬくしつつ、ロクハンを着ているバディを見たら、、、震えていました
検証2回目
1回目で十分にヒートベストの威力を実感できました。
が、まだ疑問は凝ってますよね?ね?
そう、背面のポケットにバッテリーを収納する作戦!
ちょうどシリンダーを挟む位置にあるので、シリンダーを背負っても全然気になりませんでした。
陸での苦しさはほとんどなく、ファスナーが上げにくいこと以外は気になりません。しかし・・・
最初から背面に収納しておけばよかった。とすら思いました。が、しかし・・・
とりあえず2回目行ってみよー!
と入って、やっぱり・・・!
バッテリーが大きいせいでウェットの首の部分にわずかな隙間ができるんです。
姿勢にもよりますが、冷たい水がわずかにチュルチュルと入ってきてしまい、保温力が半減😓
水温22℃で隙間があると冷たい!
電源ON「強」で温まりましたが、なんだか勿体無い使い方だなーと思いつつも、ヒートベストの暖かさで寒さを感じることなく快適にダイビングできました。
プラスマイナス、ややプラス。のような効果でした。
お手入れ
ヒートベストは洗濯機では洗えません。
中に電熱線が入っていますので、断線の恐れがあるため手押し洗いです。
その際、バッテリー接続部はしっかりキャップをして保護しましょう!
今回ウェットスーツの中に着用したので、このキャップの中に海水が溜まってしまっていました。(キャップはコードから外れないようになっています)
キャップ内はとても細く、綿棒では水を取りきれないので残タンのエアで吹き飛ばしました。
あとはキャップを切り離して、陸においていってしまえばいいのではと思いましたが、キャップするのを忘れてしまいそう…。
完全に乾くのに2~3日かかりました。
ウェットで使用したあと、ドライで使用する予定がある場合は計画的に使う必要がありますね。
まとめ
今回、あまりシビアな環境ではなかったものの、かなり多くの情報を集めることができましたので、。使用感やヒートベストの威力を考慮して、今後の使用環境や使用方法を考察しました。
使用したヒートベストは、
HEAT VEST WL2600B
ウェット・ドライ両用(リモコン有り)、背面のみ電熱線
【感想】
- 電源をON「強」にすると1分ほどで暖かくなる。
- 40分×2ダイブでバッテリーは1/3も消費しなかった。
- ウェット着用時は前面のポケットにバッテリーを収納した方が保温力は高かったが、ちょっと苦しかった。
- ウェットのファスナーは上げにくかった。
- ウェットで使うと使用後のケアが結構面倒。
- 完全に乾ききるまでに2、3日かかった。
【今後の使い方】
- 電源をON後、温まったらOFFにする。
- 基本的にはドライスーツのみでの着用にする。
- ドライ着用時は背部のポケットにバッテリーを収納する。
- ウェットで着用する場合は前面にバッテリーを収納する。
- ウェットでヒートベストを使う場合は、以下のような特殊環境でのダイビングを快適にできそう。
比較的流れが強く機動性重視の海でのダイビングにも関わらず水温が21℃以下の場合。
例えば、ガラパゴスやソコロ諸島、与那国島のハンマー狙い、南アフリカのサーディンラン、のような少し過酷な環境下で神(だと思います)。
どうしてもドライスーツを着られない方にはウェットの中に着用することでダイビングシーズンの幅が広がりますね。
陸に上がってからも電源ONすると暖かいので移動時の寒さ対策にも良い。
ドライスーツで水温何度まで頑張れるかは今後の課題です。とりあえず水温1桁の海でダイビングすることを想定して、購入しましたので、また、新たな情報を手に入れたら、お知らせしますね。
噂では、バッテリーを小型化することも予定されているそうですが、いつ発売になるかは全然わからないです。
PADI Divemaster #832577 ダイビング✖️写真✖️旅 = 世界の海・自然と人と人と社会を繋ぐ 言語・距離・文化の壁、全部越えて、 もっと自由に、もっと楽しく、 興奮と感動と癒しの海への扉となることを目指します。