一眼レフ用水中ハウジングを徹底解説 第2弾 ストロボの調光システム

一眼レフ用水中ハウジングを徹底解説 第2弾 ストロボの調光システム

2019-11-24 0 投稿者: Sayaka

こんにちは!さやかです。

 

少し前に右の記事で一眼レフ用水中ハウジングの基本中の基本についてお話ししました。

 

最低限必要なものについてわかったところで、今回は少しステップアップします。

 

 

実は私が初めて一眼レフ用ハウジングを買うときに一番悩んだのが、ストロボの調光システムでした。

 

 

今回の内容は一眼に興味がなくても、これからストロボを使ってみたいなーと思っている方にも基本的な知識として役立つかと思います。

 

ストロボの必要性

まずはどうしてストロボが必要なのかということを簡単に説明します。

 

  1. とにかく海の中は暗いんです。どんなに明るいと思っていてもカメラにとっては暗所ですので、光を足さないと色彩が出にくいです。
  2. あと、意外と知られておりませんが、ストロボを使うとブレていないように見える写真を撮ることができます。(ピンボケとは別の話ですが。)

 

ひとまず今回は要点のみにて。

2.についてはピンとこないかもしれませんが、後日改めて書きますね。

水中ストロボとカメラハウジングの接続

 

水中ストロボを発光させる方法は大きく分けて3通りあります。

  1. カメラの内蔵ストロボの光、もしくは信号を光ファイバーケーブルで伝える。
  2. シンクロコードで電気接続する。
  3. 遠隔でスレーブ発光させる(上記の1か2の方法で接続されたメインストロボが必要)

 

光ファイバー

ここ最近は光ファイバーでの接続が一般的になってきたのではないでしょうか。かくいう私も実用では光ファイバーしか使ったことないのですが。

 

【長所】ハウジングと水中ストロボの接続が簡単(プスっと挿し込むだけ)

    ケーブル接続部分は水没の心配がない

【短所】カメラの内蔵ストロボを光らせる(ことが多い)のでカメラのバッテリーが消耗する

    ケーブルが折れると正しく調光できない(シンクロコードと比較して折れやすい)

    ケーブルは比較的抜けやすい(岩や海藻に引っ掛けてしまったりして)

 

ちなみに私の使っているNikon D850は内蔵ストロボがないのですが、Nauticamのハウジングは光接続できる仕様になっています。なのでバッテリーの消耗の短所はクリアしてしまいます。(素晴らしい!)

シンクロコード(電気ケーブル)

使ったことないのに語るなって感じですが、簡単に。

基本的には光ファイバーと長所と短所が逆です。

 

【長所】コードが抜けにくい。(通常抜けない)

    内蔵ストロボを光らせないのでバッテリーの消耗を抑えられる

    (発光のリサイクルタイムも短くできる可能性があり、連写しやすくなる)

    TTLが(使えるなら)かなり正確(とはいえ最近は光ケーブルでも遜色ないとか?)

    ※TTLとはカメラが判断した発光量を水中ストロボが再現する機能です。=自動調光

【短所】Oリングがあり水没させる可能性は否めない(水没したらどうなるんだろう・・・)

    コードは意外と高価

スレーブ発光

メインストロボなどの他の光をワイヤレスで感知して、連動して発光させる方法です。

一度試したことがあるのですが、ストロボを3灯以上使う時でないと出番がないかなぁ(笑)

TTLモードが使えるのか使えないのか。

上記のシンクロコードの部分で「TTL」という用語が出てきましたね。

(※の説明の通り、カメラ側の発光量を水中ストロボに再現させるシステムなのです。)

 

SEA&SEAのストロボではDS-TTLと表示されていたり、INONではS-TTLと表記されています。

 

今やほとんどの水中ストロボはTTL機能やそれに準ずる機能がついています。

また、コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)やオリンパスのミラーレス一眼カメラのようにカメラに内蔵ストロボがある場合、水中ハウジングも当たり前のようにTTLを使える仕様になっています。

 

察しのいい方はお気づきかもしれませんが、一眼レフ用のハウジングはTTL機能が使えないことが意外と多いです。(ハウジング側の問題で)

 

そのためダイバーが自分の手でマニュアル調光するか、TTLコンバーターという高価な機械が必要になります(10万くらいかな〜)。稀にTTLコンバーターすら対応していない機種もあります。

 

第1弾で解説したファインダーと同じくらい衝撃的な設計ですよねぇ。

 

マニュアルで発光量を決めると言っても、

 透明度

 天気

 水深

 被写体との距離

などなど周囲の状況でちょうど良い光量というのは変わってしまいます。

 

いちいち手を伸ばしてダイヤルをカリカリ回して→テスト→再調整→テスト

慣れればカンでわかるようになってくるのですが、慣れる前に心が折れそうですよね。

 

つまり、個人的にはストロボ関連をどうしたいか、というのがハウジング選びの基準の1つになると思っています。

どうしてもこれでないとっていうハウジングを使いたい方

1. 高くてもTTLコンバータを買う(稀にコンバータすらない機種もある)

2. TTLコンバータは買わずに気合いのマニュアル調光を習得する

価格を抑えつつ調光機能も手に入れたい方

   3. TTL機能を使えるカメラ+ハウジングを買う

 

ちなみに私は1台目の一眼では3. に該当する『CANON 7DMarkⅡにジリオン製のハウジング』を選択しました。2代目は今のところ2. で頑張っています。

各メーカーハウジングのストロボ接続

Nauticam

現行の機種は全て光ファイバー接続できます。

TTLがデフォルト設定なのは、

・一眼レフはNikonの一部

・ミラーレス一眼は1/3くらいのハウジングが対応

SEA&SEA

あまり詳しくないのですが、光ファイバー接続が主流のようです。

TTLがデフォルト設定されているハウジングはなさそう?

TTLコンバータと光ファイバーでTTL調光できるそうです。

Anthis

シンクロコードでの接続にすればTTLに対応する機種もありますが、高確率でTTL調光はできません。

 

Zillion

現行の機種は全て光ファイバー接続できます。

カメラに内蔵ストロボがある場合、ほとんどがTTL調光が可能です。

(価格の観点から考えてもお得感の強いメーカー)

たとえ同じカメラボディでも、ハウジングメーカーによってTTL調光がデフォルト使用できるものもあれば、コンバータすら対応していないものもあります。

 

ちなみに、私も使用しているCANON 7DMarkⅡ

Nauticamのハウジングで使用する場合、TTLコンバーターすら対応しておらず、マニュアル調光のみでした。(恐ろしい・・・)

SEA&SEAはTTLコンバーターをオプション購入 or マニュアル調光

Anthisは8000円の追加で光ケーブル接続でTTL調光できるようになるそうです

ジリオンは光ケーブル接続でTTL調光できるのに。

 

また、Nikon D850

NauticamではTTLコンバーターをオプション購入 or マニュアル調光

SEA&SEAはTTLコンバーターをオプション購入 or マニュアル調光

AnthisはシンクロコードでTTL調光可

Zillionはハウジングがありません。

まとめ

ちょっとややこしい内容で、頭パンクしてないでしょうか?

 

もし、ストロボで困ったことがあったり、一眼レフに興味が出た時にこんなブログあったなーと思い出してもらえたら嬉しいです!

 

いや、死ぬほど嬉しいです!!

 

カメラボディから選ぶのか、ハウジングから選ぶのか、ということで迷っているのであれば、調光システムも調べてみることをお勧めします。

 

一眼レフの水中用ハウジングのストロボ接続には、大きく分けて3種類ある。

  • 光ケーブル(今一番よく利用されている)
  • シンクロコード(電気接続)
  • スレーブ発光(あまり出番はない)

 

調光システムには、

  • マニュアル調光
  • TTLコンバータを追加して自動調光
  • TTLがデフォルト仕様のハウジングで自動調光

 

それではまた!

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